Jリーグのレベルが上がった要因と今後の伸び代を探る
5年前と比べて去年のJリーグはレベルが上がったと思う。これは自分の肌感覚だけど、同意する人も多いのではないでしょうか。その要因を探りつつ、今後の伸び代を考察しました。
上がった要因
川崎フロンターレの台頭
今までのJリーグの頂点ってG大阪、鹿島アントラーズ、浦和レッズだったと思う。それらのクラブのレベルが落ちた訳ではない。さらに上のレベルに今の川崎が君臨している。選手層、戦術の浸透、スタメン選手の質の高さ、年齢構成、いずれも隙がないです。しかも強奪による編成ではなく、自前で若手を揃え育てて戦力にしているところもすごい。Jリーグはビッククラブがない、拮抗していて天井が低いみたいな批判がかつてはあった*1。その時代は終わったと思う。
4大リーグ出身外国籍監督の出現
現状J1の監督であるロティーナ、リカルドロドリゲス、フィッカデンティは本当に質が高いです。監督の存在によって勝ち点を底上げしていると言っても過言ではない。4大リーグの戦術レベルの高さを思い知らされています。オーストラリア代表監督経験を持つポステコグルーもいい監督です。日本とヨーロッパではやっているサッカーが違うという評価を今まで受けてきた。しかしこれらの監督が植え付けている戦術はヨーロッパの潮流を抑えており、しかもそのようなチームが複数いることでJリーグの戦術レベルは底上げされた*2。
大卒サッカーエリートのレベル向上
ここ最近出てくる大卒サッカーエリートは質が違う。FC東京でいえば渡辺、安部、中村はとんでもない。川崎の大卒サッカーエリートも一人一人指摘したらキリがない。他チームで言えば、古橋坂元はすごいですね。現状日本の大卒サッカーエリートと質の面で渡り合う外国人ははブラジル1部やポルトガル1部レベルの主力じゃないと無理です。一方ユースは不調のように見えるけど、それは本当に優秀なユース出身はすぐ海外へ行ってしまうのも要因としてはあると思います。
今後の伸び代
大物日本人のJリーグ復帰
これどんな宣伝よりも聞くと思うんですよ。本田圭佑や香川真司が地元のクラブに来たらスタジアム行くでしょ。本田圭佑、Jリーグでサッカーやってほしい。名古屋グランパス、ヴィッセル神戸あたりならハマる。実力面でも清武弘嗣や酒井高徳はバリバリにやれているから、歳をとっていてものらりくらりやることはできるはず。
多様な外国籍選手獲得ルートの開発
ブラジル人に偏りすぎているのは否めない。もちろん優秀なブラジル外国人が定期的にやってくるという繋がりは日本独自でとても貴重なもの。これからも維持、発展させていくべき。後はアフリカルート、東欧ルートをより開拓できれば良い*5。今年はアフリカ人選手が6人やってきたけど、この流れは継承、発展させられればいいなと*6。
東南アジアにおける放映権料の獲得
4大リーグとの収入の違いは結局放映権なんですよ*7。今のJリーグは面白いコンテンツになっている。アジアのお金がヨーロッパへ行ってしまっている。もちろんJリーグが放映権を得ることで、東南アジアのサッカーの発展につながるような道筋を作らなくてはならない。ACLの発展がそのためには大切かなと。ACLの巨額の放映権がアジア、東南アジアに回るようになれば世界が変わるはずです。
ACLの価値向上へDAZNが放映権を買い取る
結局ヨーロッパがすごいのはCLの放映権。ACLはそのレベルにない。東アジアにおいてもっとみんなが見るコンテンツになるべきではある。ACLもアジアのみんながワクワクして見れるものにするべき。
少なくともACLのため、日本において効果的な政策はDAZNがACLの放映権を買い取ることです。現状日テレが放映権を持っていて、日テレでACLを見るにはCSに有料契約しなくてはならない。その視聴難易度の高さが日本のサッカーファンからACLを遠ざけている。DAZNが放映権を持っていれば海外サッカーファンや野球のファンにACLが目に触れるきっかけになるはずです。幸い2020年で日テレとの放映権契約は終了するらしい*8。チャンスです間違いなく。